日本創傷・オストミー・失禁管理学会誌
Online ISSN : 1884-2321
Print ISSN : 1884-233X
原著
療養病床を有する一般病院におけるスキン-テアの実態
内匠 薫紺家 千津子遠藤 瑞穂松井 優子平松 知子
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2021 年 25 巻 1 号 p. 37-45

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抄録
 本研究では療養病床を有する一般病院のスキン-テア(以下、テア)の有病率、推定発生率ならびに保有者の実態を調査した。
 A 県内の療養病床を有する一般病院において、調査日は任意に設定した1 日とした。テアの知識のある施設の調査担当者がテアを同定し、施設とテア保有者の情報を調査用紙に記入した。分析は、病床区分別、皮膚・排泄ケア認定看護師(以下、WOCN)在職の有無別で行った。
 9施設より調査協力が得られ、全患者数は1,626名、一般病床390名、療養病床1,236名であった。テア保有者は16名で、有病率は0.98%であった。自施設内発生者は一般病床3名と療養病床10名の計13名で、推定発生率は0.80%であった。自施設内発生者はWOCN の在職施設は632 名中2 名、不在施設は994 名中11 名と、発生者はWOCN 在職施設のほうが少ない傾向を認めた(p = 0.081)。テアの発生場面は、WOCN 在職施設では患者自身の行動のみであったが、不在施設では患者自身の行動以外に医療者のケアがあった。
 テアの予防ケアに精通したWOCNが在職することは、発生低減に貢献する可能性が示唆された。
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