日本プロテオーム学会誌
Online ISSN : 2432-2776
ISSN-L : 2432-2776
総説
ターゲット・プロテオミクスによる血中細胞外小胞タンパク質の定量および新規大腸がんマーカーの探索
白水 崇朝長 毅
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2019 年 4 巻 1 号 p. 41-48

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抄録

がんの治療は早期診断が重要であり,低侵襲なリキッドバイオプシーでの早期診断可能なマーカーはあらゆるがんにおいて実現が望まれている.質量分析器の性能の進歩により,プロテオームを対象とした大規模タンパク質マーカー探索研究が活発に行われているが,サンプルの前処理方法やマーカー候補のハイスループットな評価方法など,質量分析器の性能のみでは解決できない課題も多い.近年,細胞から分泌される細胞外小胞が様々な生命機能や疾患と関係することが明らかにされたことから,体液中の細胞外小胞を対象としたバイオマーカー探索が注目されている.我々の研究室では,大腸がん患者血清に含まれる細胞外小胞を用いたプロテオーム解析により,新規マーカー候補タンパク質を同定し,報告している.この研究においては,臨床検体の前処理方法や,ターゲット・プロテオミクスによる検証法など,我々の研究室で以前から検討し,最適化に取り組んできた手法を用いた.本稿では,これら一連の取り組みについて概説したい.

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© 2019 日本プロテオーム学会
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