2024 年 9 巻 2 号 p. 33-41
LC/MS/MSを基盤としたボトムアッププロテオミクスにおいて,ペプチドの分離・精製は分析結果に大きく影響する重要なステップである.ペプチドの分離はさまざまな要因に影響されるが,LCやMSを個別に考えるのではなく,両者を組み合わせた条件を開発する必要がある.また,LCにおける保持時間情報を最大限に活用するためには,各種条件での保持時間を高精度に予測することが求められる.さらに,近年のイオン移動度分光法の進展により,イオン移動度情報の重要性も増してきた.本稿では,我々が明らかにしてきた逆相クロマトグラフィーやtrapped ion mobility spectrometry(TIMS)におけるリン酸化ペプチドの条件特異的な分離挙動をまとめ,これらの知見が試料調製や定量解析にどのように役立つかを議論する.