日本プロテオーム学会誌
Online ISSN : 2432-2776
ISSN-L : 2432-2776
総合論文
Phos-tagを用いたリン酸化プロテオミクスのための分析技術
木村 弥生井野 洋子
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2024 年 9 巻 2 号 p. 43-46

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抄録

翻訳後修飾の一つであるタンパク質のリン酸化は,特定のアミノ酸に負電荷と親水性を付加し,立体構造や安定性,他の分子との相互作用などを変化させてタンパク質の機能に影響を及ぼす.このためタンパク質のリン酸化は,様々な細胞内プロセスにおける制御機構として重要な役割を果たしている.そこでタンパク質の機能を正確に理解するためには,リン酸化部位の同定だけでなく,リン酸化タンパク質の定性的・定量的変動の詳細を明らかにする必要がある.近年,タンパク質のリン酸化状態を解析するための様々な分析戦略が提案され,非常に多くの研究が実施されている.本稿では,電気泳動と質量分析を活用した,これらリン酸化プロテオミクスのための分析技術について,「Phos-tag」を中心に紹介する.これら分析技術は,生物学的プロセスに関与するタンパク質の機能理解に役立つと考える.

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