2019 年 55 巻 p. 13-26
日本で最初に人口学の研究教育に関する実態調査が実施されたのは,1955年のことである。それから間もない1957年には日本学術会議から人口問題総合研究機構の確立に関する要望が出される。この人口学の研究教育体制確立をめぐる課題提起がなされた1950年代半ばから1960年代はじめに至る時期は,社会科学系の人口研究の充実,人口から社会保障へという問題関心のシフトへとつながる日本の人口学の研究教育体制の画期になったと考えられる。本稿の目的は,先行研究で十分に取り上げられていない,日本の人口学の研究教育の史的展開における1950年代の無視できない動きを明らかにすることである。