日本物理学会講演概要集
Online ISSN : 2189-0803
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明治・大正期の物理実験テーマの変遷-後藤牧太の物理教科書を中心に-:
赤羽 明所澤 潤玉置 豊美高橋 浩
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抄録

日本の西洋的自然科学教育の形成・確定期の物理学習を取り上げる。明治15年頃、東京師範学校の後藤牧太教諭は「簡単なる器械を用いて物理学を教えること」を提唱し、簡易器械を自ら製作し、実験による物理学習の普及を推進した。それらの成果である106実験を展開した『小学校生徒用物理書』を弟子との共著で明治18年に公表した。後藤はその後も開発・教育実践を継続し、『誰にもできる物理実験』(明治44年刊)に手作り実験100を公表した。講演では、こうした実験書を比較し、当時の物理実験テーマの動向を考察する。100実験には「和ばさみ」を使った振動実験が含まれているが、同様な実験が同時期の寺田寅彦著の少年向き記事が公表されている。後藤と寺田との関連についても触れる。

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