異方的相互作用を持つカゴメ格子反強磁性体における基底状態の6重縮退と相転移

抄録

最近接相互作用のみのカゴメ格子ハイゼンベルグ反強磁性体の古典基底状態はマクロに縮退しているが、格子の対称性から許されるDzyaloshinskii-Moriya相互作用が存在すれば、基底状態の縮退が解け120度構造が安定化する。本講演では、そのような状況で、さらに容易軸異方性が加わった場合に、基底状態がZ6の対称性を持つ例を紹介し、その有限温度相転移・臨界現象を主に古典モンテカルロシミュレーションで調べた結果について報告する。