光駆動 Landau-Zener-Stückelberg 干渉

抄録

物質に照射された光の電場強度が、物質中で電子の感じている電場強度よりも強くなると、電場による加速による電子の運動量変化が無視できなくなる。この状況は孤立ガス系からの光電子放出ではKeldysh の adiabaticity parameter によって良く記述できることが知られている。近年我々はグラフェン中の電子がレーザー電場で駆動され、レーザーパルスのキャリアエンベロープ位相に依存した電流を生じることを実験的に示し、その背景に光電場によって駆動された電子が経験する Landau-Zener-Stückelberg 干渉効果があることを明らかにしてきた。本発表では、この Landau-Zener-Stückelberg 干渉と、他の高強度レーザー中で起きる物理現象の間を adiabaticity parameter を介して繋ぐ試みをお伝えしたい。