日本砂丘学会誌
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Print ISSN : 0918-5623
耐塩性バジルの養分吸収 , 光合成および抗酸化応答に関する特徴
田中 秀樹増永 二之辻 渉山本 定博Bernardo MURILLO-AMADOR山田 美奈山田 智
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2020 年 67 巻 1 号 p. 25-37

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抄録
先行研究において,我々はバジル(Ocimum basilicum L.)の耐塩性を養分吸収および抗酸化応答の観点から説明した。本研究では,耐塩性を異にするバジル2品種(感受性;Sweet,耐塩性;Napoletano)を対照区および塩処理区(50 mMNaCl;Na50,100 mM NaCl;Na100)で13日間水耕栽培し,養分吸収と抗酸化応答に加え,光合成およびクロロフィル蛍光についても調査することにより,両品種間における耐塩性機構の違いを明らかにすることを目的とした。耐塩性は,乾物生産の観点から特に Na50では Napoletano の方で高かった。これは,葉身の K 含有率を高めつつ,根に Na を蓄積させることで葉身含水率を高く維持していたことによると思われる。光合成速度については Na50下で両品種とも,Na100下では Napoletano でのみ影響を受けなかった。電子伝達速度は,Napoletanoの方で Sweet よりも常に低い値を示したが,塩処理による影響は見られなかった。カタラーゼ活性は両品種において重要でありそうだが,両者における耐塩性の違いの原因とはならなかった。またMDA は Napoletano において常に Sweet よりも低い値を示し,Napoletano の方で優れた抗酸化応答を有していた可能性が考えられた。
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© 2020 日本砂丘学会
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