抄録
近年、ブランドを企業の競争優位を創出する資産とみなすブランド・エクイティは多くの企業で注目され、その活用方法の一つに「ブランド拡張」がある。ブランド拡張とは、「企業が新製品を導入する際、すでに確立しているブランド・ネームを用いること」を意味し、新製品を市場に投入する際のリスクを回避し、市場導入に伴うコストを削減することができる。ブランド拡張による製品の場合、拡張元となる既存ブランドを消費者に認識してもらう必要があるため、パッケージに既存ブランドを想起させる表現が取り入れられることとなる。しかし、単純にパッケージを全ての構成要素において相似させ、類似性を高めれば「同ブランドであること」は認識されるが、あまりに相似的であれば、差異が認められにくくなり、混乱を招くことも考えられる。そこで、本研究では、派生製品のパッケージを構成するどのデザイン要素、またはその組み合わせが「共通性」を消費者に感じさせるのかを明らかにし、その要素を明らかにすることで、派生製品のパッケージデザインにおけるデザインの自由度を高める可能性を示す。