2022 年 1 巻 1 号 p. 1_26-1_37
目的:2022年より新たな生涯学習プログラムも開始されるが,全ての理学療法士が十分な卒後教育を受けているとは言い難い。現状の卒後教育が直面している課題を抽出し,さらに向上させるためのより良い卒後教育システムを明らかにすることである。方法:先行研究の検討,千葉県理学療法士会所属施設への質問紙調査,他の医療関連職種との卒後教育システムの比較により理学療法分野における卒後教育課題を抽出し,今後の新たな卒後教育システムを検討した。結果:課題は,①個々の教育内容の違い,②環境因子による違い,③個人因子,④協会の制度設計の4点に集約された。考察:今後,卒後教育ガイドラインを策定し,個人の到達目標や行動目標を明らかにする必要がある。また,多施設間で協働した所属施設外でも行うことができる教育システムの策定も必要であると考える。教育システムと個人がより良く変化することで,理学療法士の質向上へと繋がるのではないかと考える。