2022 年 1 巻 1 号 p. 1_38-1_46
目的:理学療法士の養成教育において,思考を外化することに視点をおいた教育手法である一枚ポートフォリオ評価(以下,OPPA)を導入する意義があるか検証する。方法:養成教育の一科目にOPPAを導入した。「本質的な問い」は学習前後で獲得すべき内容を,「学習履歴」は講義内容を要約し,誤りやポイントが異なる場合には個別に指導した。「自己評価」は学習の振り返りを記載させた。本試験点数を基に平均点の高低群別と得点群別での単語数の変化,指導回数の差,記載内容の質的な違いを分析した。結果:指導回数に有意差はなかった。平均点以上の群と9割群の単語数が多かった。平均点以上の群で振り返りや学習した内容が多くの単語と関連を持った状態で表現された。結論:理学療法教育にOPPAを導入できる効果が示唆された。