2024 年 4 巻 2 号 p. 2_45-2_51
講義内で,相互教授法における要約に焦点を当てたペア学習を行った際の,知識の定着や復習時間の変化について学生を対象に検討した。全15回の講義の中,6回目から14回目に講義展開を変更した。5回目と14回目に実施した抜き打ちの小テストの得点推移から知識の定着度合いを測った。また,アンケート調査を通して,講義展開の変更が学生に与えた影響や復習時間の変化等を明らかにした。その際,学生の背景因子としてGrade Point Average(GPA)を考慮した。その結果,小テストの得点は改善し,復習時間は増加傾向を示した。GPA別では,GPAの低い学生の復習時間は増加傾向にあるが小テストの結果は改善せず,GPAの高い学生は復習時間の増加は見られないが小テストの得点が改善していた。講義内で相互教授の時間を確保することで知識の定着に効果があり,この効果はGPAによって異なることが示された。知識定着のためには学生のGPAにより学習に対する指導を変える必要があることが示唆された。