抄録
「目的」回復期および生活期の施設において、脳卒中者に対する下肢装具のフォローアップの現状と問題点を明らかにして、その具体的な解決策について提案することだった。
「方法」対象は、回復期および生活期施設に勤務する理学療法士とした。施設数は、それぞれ 3 施設だった。独自に作成した脳卒中者の下肢装具に関するアンケート用紙に無記名で回答してもらった。
「結果」回復期施設の理学療法士のうち、生活期施設の理学療法士に対して装具の申し送りをしている割合は、3割程度だった。回復期および生活期の理学療法士は、いずれも半数程度が装具のフォローアップは退院後に利用する施設で行う方が良いと回答した。
「結論」装具フォローアップの現状を改善するためには、双方の理学療法士が装具に関する情報共有を行いやすい環境を作っていくことが必要と考えた。共同研究グループ内の回復期施設においては装具作製報告書を作成し、運用を開始した。