抄録
日本の理学療法士数は平成 10 年以降急激に増加した。その一方、理学療法士の臨床能力や業務内容が憂慮されている。今後、理学療法士やリハビリテーションに関する社会の目は厳しいものになっていくと懸念される。近年、医学教育ではプロフェッショナリズム教育の整備が進められている。プロフェッショナリズムはプロフェッションと社会の間の社会契約を基礎とし、プロフェッションが関与する分野の公益増進に対して貢献する意思とその実践である。今回、プロフェッショナリズムについて概説し、理学療法・理学療法士におけるプロフェッショナリズムの現状を紹介する。また、いくつかの事例を取り上げ、理学療法士がどのような観点からプロフェッショナリズムを実践していくかについて検討する。今後、理学療法士においてもプロフェッショナリズム教育が行われることを期待したい。