抄録
本稿では、理学療法士の卒前教育と臨床実習、卒後教育について現状と課題をまとめ、考察を得ることを目的とした。理学療法を取り巻く現状では、理学療法士養成校の増大にともなう理学療法士数の爆発的増加が特筆すべき事項である。法令からみた理学療法士の卒前教育の現状は、 理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則、日本理学療法士協会が作成した理学療法教育ガイドライン、国家試験出題基準により規定されている。臨床実習の問題は国会質問、答弁でも取り上げられており、臨床実習ガイドラインの整備、クリニカル・クラークシップの導入が求められている。理学療法士の生涯学習については、日本理学療法士協会が認定・専門理学療法士制度を構築しているが、取得者は極めて少なく、啓発を含めた取り組みが期待される。