抄録
「目的」上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(以下 OCD)の病巣部位の前後位置を調査し、さらに野球のポジションによる比較検討を行うことで、OCD の発生および増悪因子をより明らかにすることを目的とした。 「方法」対象は OCD の青少年期野球選手 45 名(投手 20 名、内野手 18 名、外野手 4 名、捕手 3 名)とした。病巣部位は MRI 矢状断像にて上腕骨長軸線と病巣前後縁を結んだ線の垂線が成す角度 (以下 病巣角)を算出した。ポジション別に群分けし、各群間の病巣角を統計学的に比較検討した。 「結果」全対象 45 名の病巣角の平均値は 64.8 ± 13.2°であった。ポジション別にみた病巣角の比較では内野手群と投手群に有意差を認めた(p<0.05)。その他の各群間は有意差を認めなかった。 「結論」青少年期野球選手における OCD の病巣部位は先行研究と比較して小頭のより前方に位置し、特に内野手で顕著である可能性が示された。