理学療法の臨床と研究
Online ISSN : 2188-3041
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原著
高濃度人工炭酸泉下肢局所浴が大腿骨頚部骨折術後患者の運動機能およびリラックス効果に与える影響
平田 尚久實延 靖中嶋 正明中 徹田中 聡金井 秀作
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2017 年 26 巻 p. 47-51

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抄録
「目的」炭酸浴が大腿骨頚部骨折術後患者 ( 以下、骨折患者)の運動機能や自律神経活動に与える影響を明らかにする。 「方法」骨折患者 6 名に、10 分間の 36°C淡水浴、36°C炭酸浴 ( 炭酸ガス濃度 1000ppm)、安静座位 (対照群)を行った。前後で膝伸展筋力、足関節背屈可動域、10m 歩行時間を測定した。 別日に、自律神経活動(高周波成分、低周波/高周波成分)、心拍数、血圧、Profile of Mood States( 以下、POMS)を測定した。 「結果」可動域は、炭酸泉前より後で拡大 (p<0.05)し、対照群より淡水群 (p<0.05)、炭酸泉群 (p<0.01)で拡大した。低周波 / 高周波成分は淡水群より炭酸泉群で低かった (p<0.01)。POMS は炭酸泉群で対照群 (p<0.01)と淡水群 (p<0.05)より低かった。 「結論」炭酸浴は、骨折患者の可動域を改善する。交感神経活動が抑制され、リラックス効果が期待できる。
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