抄録
本稿では、訪問リハビリテーションなどの在宅場面における目標設定が困難となる要因を、理学療法士(Physical therapist; PT)のアイデンティティに着目して概説する。日本においてコメディカルは、医師からの自律を目指し専門職化してきたが、近年チーム医療が推進されるなか、看護師や歯科衛生士などは自律性を高めている。一方で、PTのアイデンティティは不明確な状態にある。そこで、理学療法士及び作業療法士法の制度設計を手がかりに“身体に障害のある者に対する理学療法”を用いて“医学的リハビリテーションの普及・向上を担う”専門職としてPTのアイデンティティを導出した。最後に、導出したアイデンティティをどのように在宅場面に活かすことができるか、先行研究や筆者の経験を交えて述べた。