福島県浜通り地方の除染後農地(福島県富岡町)における,マメ科緑肥を用いた土壌改良について紹介する。とくに土壌改良効果が高いヘアリーベッチを中心に,緑肥の栽培方法や利用特性についてまとめた。除染後農地には窒素肥沃度が低い山土(山砂)が客土されている場合が多く,土壌も硬くなり排水不良になることがある。このような圃場でマメ科緑肥を導入するためには,明渠等を施工して排水性を高める必要がある。また,マメ科植物は適合性のある根粒菌が土壌に生存している必要があり,優良根粒菌の接種は生育促進に効果的である。ヘアリーベッチの植栽により土壌物理性が改善され,土壌の気相率が高まり,排水性も向上する。ヘアリーベッチ地上部の窒素集積量は25 g-N m-2以上になるため,土壌に鋤き込むことで多量の窒素を供給できる。土壌中におけるヘアリーベッチ残渣の分解は速く,夏季においては約一ヶ月間で90 %が分解されるが,ヘアリーベッチ由来窒素の約半量は土壌に残存して地力窒素となる。ヘアリーベッチ植栽後に水稲を栽培した結果,無植栽区と比較して生育が促進され,収量も多くなった。以上から,除染後農地へのヘアリーベッチ等のマメ科緑肥の導入は,土壌物理性や窒素肥沃度等の土壌改良に効果的である。