Journal of Reproduction and Development
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原著
腟内留置型黄体ホルモン製剤(CIDR-B)を用いた黒毛和種における連続過剰排卵処置
沼辺 孝及川 俊徳菊地 武伊藤 裕之佐藤 秀俊堀内 俊孝
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1997 年 43 巻 6 号 p. j27-j32

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抄録
黒毛和種経産牛を対象に,腟内留置型黄体ホルモン製剤(CIDR-B)を用いて,35日間隔で2回過剰排卵処置(1クール)し,これを42日間隔で2回(2と3クール)反復することが可能か検討した.供試牛は9頭で,CIDR-Bを性周期に関係なく腟内に挿入した後,10日目からFSH総量20 AUを3日間の漸減投与もしくは30%のポリビニールピロリドンに溶解したFSHの25 AUと生理食塩水に溶解したFSHの5 AUをそれぞれ同時に頸部皮下に投与して過剰排卵処置した.次いで12日目にCIDR-Bを腟内から除去後PGF投与により発情を誘起し人工授精を行った.採卵は発情日を0日として7日目に実施した.過剰排卵処置成績は,平均推定黄体数と遺残卵胞数がそれぞれ10.5±0.8(S.E)個と1.8±0.3個,平均回収卵数と正常胚数がそれぞれ9.3±0.9個と6.7±0.8個となり,正常胚率は71.7%であった.クール別に行った各々18頭では,1,2と3クール別に平均推定黄体数が9.2個,9.8個と12.5個,平均回収卵数が8.2個,8.7個と11.0個,平均正常胚数が6.0個,5.8個と8.2個であり,いずれも有意差は認められず,これまで用いてきたFSHの漸減投与法と同等の成績であった.以上のことから,CIDR-Bの過剰排卵処置への利用は,供胚牛の性周期に関係なく,計画的に,かつ継続した処置で安定的に正常胚の得られることが明らかになった。
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© 1997 Society for Reproduction and Development

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