家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
アンドロジェンにより誘起された持続発情ラットの黄体機能維持に関する研究
沢田 勉安田 徳治市川 茂孝
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1968 年 14 巻 2 号 p. 65-69

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抄録

5日令のラヅトにandrogenを注射して,成熟後持続発情を呈したラット(P-Eラット)を使って下垂体前葉ホルモンの黄体機能に及ぼす影響を検討した。
P-Eラットの卵巣には各発育段階の卵胞が認められたが黄体を欠いていた。P-Eラットの下垂体を正常ラットの腎被膜下に移植した場合も,正常ラットの下垂体をP-Eラットに移植した場合も排卵に続くdiestrus期間は正常偽妊娠期間に相当した。
P-Eラットにreserpine(0.15mg/kg body wt)を連続13日または20日間注射すると,注射期間中diestrusが続き,この間黄体が存続していた。正常ラットまたはP-Eラットの全例に排卵後約12日間黄体機能を維持させるに必要なreserpine連続注射日数はそれぞれ5日および7日であった。以上の結果はラットにおいてLHはprolactinの黄体刺激作用に協力的に働き,黄体機能維持に必要なprolactinの刺激期間を短縮することを示唆する。

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© 日本繁殖生物学会
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