家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
14 巻, 2 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 梅津 元昭
    1968 年 14 巻 2 号 p. 39-42
    発行日: 1968年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    生後2週令の幼若雄ラットの視床下部を電気的に破壊し,以後の性成熟および成長過程を観察し,以下の成績を得た。
    1)破壊により,成長は抑制されたが,ペニスのU型に達する日令には変化は見られなかた。対照群では型への到達は体重に密接な関係があったが,処理群ではそのような関係は見られなかった。
    2)解剖時,処理群のU+の副生殖器は,対照群のそれと比較して有意に大きい値を示した。
    3)外見上肥満を伴い性腺が未成熟な状態に留まっているものが,雌で見られたのと同様に観察された。
  • 石島 芳郎, 伊藤 雅夫, 平林 忠, 佐久間 勇次
    1968 年 14 巻 2 号 p. 43-46
    発行日: 1968年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    Effect of estrogen administration on ovulation, recovery of ova and fertilization in rabbits treated with PMS were studied. Thirty-five mature Japanese white does, each weighing about 3 kg were used. The method of treatment in this experiment were shown in Fig. 1. The hormone used were PMS (Serotropin; Teikoku Hormone Mfg. Co. Ltd. Tokyo), HCG (Synahorin; ibid) and estradiol benzoate (Ovahormone Benzoate; ibid). The results obtained are as follows.
    In rabbits accompanied with 0.05, 0.1, 0.15, 0.2 and 0.5 mg of estradiol at the last PMS treatment, the average number of ovulation points was 22.0, 37.4, 37.4, 30.0 and 37.6, respectively, and the percentage of ova recovered was 81.8, 55.6, 71.7, 81.3 and 72.9%, respectively, and the percentage of ova fertilized was 88.9, 78.0, 78.4, 76.5 and 91.9%, respectively.
    In rabbits mated at the 48 hr after last PMS, and accompanied with 0.1 mg of estradiol at the last PMS or at the 24 hr after last PMS, the average number of ovulation points was 36.0 and 34.2 and the percentage of ova recovered was 88.3 and 82.5%, and the percentage of ova fertilized was 99.3 and 93.6%, respectively.
    These results suggested that superovulation in the rabbit is able to produce by gonadotropin (PMS) accompanied with 0.1 mg or more of estradiol administration.
  • III.性周期の時間経過とHCGの排卵誘起に対する鋭敏度の関係
    中村 勝美, 小島 操, 信永 利馬
    1968 年 14 巻 2 号 p. 47-52
    発行日: 1968年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    4日性周期のラットにおいて,HCGの単一静脈内投与による排卵誘起反応に対し投与時刻がどのように影響するかについて,性周期の経過に伴う反応の鋭敏度の変化の検討を行なった。
    1)HCGによる排卵の誘起はIV期の午前0時が最も起こりにくく,IV期の午前9時,午後4時と急速に排卵されやすくなり,V期においては投与時刻による排卵誘起力にほとんど差異はなかった。しかしながら1期に至り再び鋭敏度を増す傾向が認られた。
    2)排卵充分量のHCG投与の場合の排卵数は,V期の日における午前9時以後の投与ではほとんど差異はなく,自然排卵に近い値を示した。
    3)成熟ラットを用いたHCGの単一静脈内投与による排卵誘起試験においては,V期の日の午前9時から午後4時の間の投与であれば,とくに投与時刻を考慮する必要を認めなかった。
  • 窪道 護夫, 猪 貴義, 鈴木 勝夫
    1968 年 14 巻 2 号 p. 53-59
    発行日: 1968年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    HCGに対するddマウスの子宮重量反応,卵巣黄体血点形成反応による生物学的力価検定において,ddマウスの最小有効数を検討した結果,次の成績を得た。
    1)HCGの0.5, 1.0, 1.5, 3.0, 4.5, 6.0IUの用量に対して,1用量あたり5, 10, 15, 20, 25, 30,35, 40, 45, 50匹を用いマウスの数と反応値の関係を子宮重量反応では標準誤差と95%信頼巾,卵巣黄体血点形成反応ではX2一検定と95%信頼限界巾で検討したところ,子宮重量反応では,5,10匹での信頼巾は著しく大きいが,15,20匹となると,その値は小さくなり,それ以上マウス数を増加しても増加したわりには,その値は小さくならなかった。卵巣黄体血点形成反応では30匹を用いると130匹の示す反応値に近い値を示すことが認められた。
    2)1)の結果から子宮重量反応について1用量15,20匹を用い1.5, 3.0, 6.0IUの用量で6点法検定を検討した。15匹群では4回中4回,試験は成立したが,力価比,95%信頼限界はかなりの巾を示した。20匹群では4回中4回,試験は成立し,力価比,95%信頼限界は一定の範囲内にある成績が得られた。
    卵巣黄体血点形成反応について1用量15,30匹を用いて1.5, 3.0IUの用量で4点法検定を検討した。両群4回とも平行性は成立したが,誤差の信頼限界は15匹群では大きく,30匹群では一定の範囲にある成績が得られた。
    以上の成績から,マウス子宮重量反応,卵巣黄体血点形成反応は最小有効数とみられる1群20~30匹を用いることによりHCGの生物学的力価検定法として用いられるものとみられる。
  • VI.急速凍結が豚精子の生存性に与える影響
    番場 公雄, 谷口 正, 小島 義夫, 飯田 勲
    1968 年 14 巻 2 号 p. 60-64
    発行日: 1968年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    牛精子では一般化されつつある急速凍結方法が,果して豚精子への応用が可能であるかを調べるため,種々の急速冷却を試みた。
    豚精液を遠心分離して精清を除去し,精子部をS-G-S第1液6)に浮游した。凍結保護材としてグリセリンは終末濃度で7%添加した。稀釈精液は1mlずつガラスアンプルに封入して凍結した。各試料は緩徐冷却方法の対照区のアルコール冷却槽が,-5, -10, -20, -30および-40°Cに達するまでは対照区の試料と共に冷却し,その後は直接-80°Cのアルコール槽へ投入して急速凍結した。試料の保存は-80°Cで行ない,融解は10°Cの水中で行ない,精子活力は38°Cの顕微鏡下で検査した。その結果,緩徐冷却である対照区が最もすぐれていて。各処理区の成績の順位は次の通りであった。
    対照>-40°C>-30°C>-20°C>-10°C>-5°C要因分析の結果,処理区間に1%以下の危険率で有意差が認められた。
  • 沢田 勉, 安田 徳治, 市川 茂孝
    1968 年 14 巻 2 号 p. 65-69
    発行日: 1968年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    5日令のラヅトにandrogenを注射して,成熟後持続発情を呈したラット(P-Eラット)を使って下垂体前葉ホルモンの黄体機能に及ぼす影響を検討した。
    P-Eラットの卵巣には各発育段階の卵胞が認められたが黄体を欠いていた。P-Eラットの下垂体を正常ラットの腎被膜下に移植した場合も,正常ラットの下垂体をP-Eラットに移植した場合も排卵に続くdiestrus期間は正常偽妊娠期間に相当した。
    P-Eラットにreserpine(0.15mg/kg body wt)を連続13日または20日間注射すると,注射期間中diestrusが続き,この間黄体が存続していた。正常ラットまたはP-Eラットの全例に排卵後約12日間黄体機能を維持させるに必要なreserpine連続注射日数はそれぞれ5日および7日であった。以上の結果はラットにおいてLHはprolactinの黄体刺激作用に協力的に働き,黄体機能維持に必要なprolactinの刺激期間を短縮することを示唆する。
feedback
Top