家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
妊娠ラットの胎児あるいは胎盤除去後の血液および組織中のprogestinについて
林 正利
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1972 年 18 巻 3 号 p. 113-116

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抄録

1.妊娠ラットの血液中のprogestin濃度の変動は妊娠8日目に最初の小さなpeakを描き(2.53 μg/ml),妊娠14日に最高値(6.27 μg/ml)に達し,その後分娩期に向って急激に低下する2相性の曲線を示すことが認められた。
2.妊娠15日に胎児を除去したラットの血液中のprogestin濃度は妊娠ラットのものと差がなかった。
3.妊娠15日に胎児と卵巣を除去したラットの血液中のprogestin濃度は,術後急激に低下したが,術後3日以降は妊娠ラットのprogestin量との間に差がみられなかった。
4.妊娠15日に胎児と胎盤を除去したラットの血液中のprogestin量は,術後低下したが,その低下は著しいものではなかった。
5.妊娠ラット,胎児除去ラヅト,胎児と卵巣を除去したラットの胎盤および子宮組織中のprogestin含有量は,妊娠日数あるいは術後日数の経過にしたがって漸次低下することが認められた。

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