1973 年 19 巻 1 号 p. 19-21
分割球の分化期におけるハムスター卵子のphosphorylaseおよびUDPG-glycogen transferaseを組織化学的に検出したところ次のような結果がえられた。
phosphorylase反応は8細胞卵子(排卵後65~70時間)の分割球ではいずれも陽性であったが,分化直前と思われる8細胞卵子では4個の分割球が酵素活性を示しているのに対し,他の4個にはまったく反応がみられなかった。分化8-16細胞卵子においては,trophoblastだけにきわめて弱い反応が認められた。blastocystはまったく反応を示さなかった。UDPG-glycogen transferase活性は多くの8細胞卵子に認められ,いずれの分割球も平等に反応を示していたが,分化8細胞卵子以降のものではまったく反応が現われなかった。