家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
イヌ精子の代謝に関する研究
III.各種化学療法剤および抗生物質の影響について
黒田 治門広江 一正
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1973 年 19 巻 3 号 p. 120-124

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抄録

7種類の抗菌性薬物(ペニシリン,カナマイシソ,ストレプトマイシソ,スピラマイシソ,テラマイシソ,スルファミソおよびホモスルファミン)を用いて,イヌ精子の生存性および代謝能におよぼす影響を検討した。
その結果は次の通りであった。
1) 薬物添加直後の精子生存性はほぼ原精液と同じであったが,代謝試験後の精子生存性は薬物によって差が認められた。スルファミソとホモスルファミソの添加では高い精子生存率および活力を示したが,スピラマイシンおよびテラマイシンは最低を示した。
2)イヌ精子の呼吸および解糖能では,サルファ剤とテラマイシンは原精液より高い値を示したが,他の薬物は基質によって異なる傾向を示した。
3) テラマイシソ以外の抗生物質は糖消費量の増減にかかわらず,乳酸蓄積量を著しく減少させた。

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