子宮内膜炎のため3~4年間不妊のサラブレット種雌馬2頭と中間種雌馬1頭の合計3頭に子宮内膜掻爬を実施し,臨床的,内視鏡的ならびに組織学的検討を加えたところ,つぎの知見を得た。
1.子宮内膜掻爬後一般症状はもちろん子宮腔あるいは子宮頸管の癒着ならびに化膿などの異常は認められなかった。掻爬後20日以内に,全例卵巣に卵胞の成熟,排卵が認められた。
2. 掻爬後4日目の子宮内膜所見は急性炎症像に類似したが, 10日目には子宮内膜上皮ならびに子宮腺の再生像が見られ,炎症像は軽減した。
3. 子宮内膜上皮細胞ならびに子宮腺上皮細胞には掻爬後4日目にアルヵリ性フォスファターゼ活性,10日目にPAS陽性物質が顕著に認められた。