家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
乳牛の発情期頸管粘液pH値と受胎成績
東大牧場における5年間の調査
浜名 克己小山 徳義加藤 次男加納 康彦
著者情報
ジャーナル フリー

1976 年 21 巻 4 号 p. 123-129

詳細
抄録

東京大学付属牧場に飼養されている乳牛を対象として,発情期,授精直前の頸管粘液pHを5年間にわたって測定した。その結果,授精時pHの測定回数は延24例となり,そのうち82例が受胎した。
頸管粘液pHは6.0~7.8にわたって分布したが,授精時pHは6.8がもっとも多く,6.6,6.4,7.0の順となった。pH7.4以上はわずか4例である。授精時pHの総平均は6.69±0.28となった。受胎時pH値は6.8と6.6がいずれも多く,pH6.4と7.0がこれにつぎ,総平均はpH6.66±0.26となった。
年度や季節によってpHの分布に多少の差を生じたが,いずれもpH6.4~7.0が主であった。年令および産次数との関係では,未経産牛でPH7.0を示した例が,授精時,受胎時とも相対的に多く,授精時pHが7.2を示した例も多いのが特徴であった。1産~3産にわたってはpH6.6が多くなり,4産以降はpH6.4が増加した。

著者関連情報
© 日本繁殖生物学会
次の記事
feedback
Top