家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
牛におけるProstaglandin Fによる分娩誘起
中原 達夫百目 鬼郁男金田 義宏加茂 前秀夫
著者情報
ジャーナル フリー

1976 年 21 巻 4 号 p. 135-140

詳細
抄録

Prostaglandin F(PGF)を用いて牛の分娩誘起を試み,次の成績を得た。
1. 妊娠116~159日の経産牛3頭において,総量25mgのPGFを6時間の間隔で3回分割子宮内注入し,うち1頭には21時間後に10mgを追加投与した結果,処置後51~91時間に流産が起こった。
2. 妊娠252~258日の経産牛3頭,未経産牛2頭において,4頭には総量20~30mgのPGFを9~12時間の間隔で3回分割子宮内注入し,うち2頭にはそれぞれ26, 31時間後に10mgを追加投与した結果,処置後39~108時間に生存子牛が娩出された。他の1頭には10mgを1回筋肉注射して,69時間後に同量の追加投与を行った結果,処置後118時間に分娩が誘起された。
3. 妊娠272~276日の経産牛2頭,未経産牛3頭において,4頭には10~15mgのPGFを1回,あるいは3時間の間隔で2回分割筋肉注射し,他の1頭には20mgを12時間の間隔で2回分割子宮内注入した結果,処置後29~49時間に生存子牛が娩出された。
4. 妊娠後期に処置した牛10頭の後産排出はいずれも遅延して,分娩後2~6日以降にみられた。
5. 末梢血中progesteroneの濃度はPGF投与前の3.6~5.3ng/mlから,投与後6~12時間には1.3~2.0ng/mlに急激に低下した。なお,頸管の ?? 開は1ng/mlある5いはそれ以下の濃度がしばらく続いた後に起こった。

著者関連情報
© 日本繁殖生物学会
前の記事 次の記事
feedback
Top