家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
雌ラットの性成熟到来に関する研究
初回排卵前後における血中性腺刺激ホルモン含量の変化
梅津 元昭橋爪 一善菅原 七郎正木 淳二
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1976 年 22 巻 2 号 p. 66-70

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抄録

初回排卵前後の雌ラットを午前と午後の一定時間に採血後解剖し,その時の子宮の発育度により分類して,血中GTHのパターンをラジオ•イムノアッセイにより求め以下の結果を得た。
1.LHは子宮の発育に伴って徐々に増加し,子宮の発育が最大限に達したもの("腫脹区")の午前には有意に減少した。"腫脹区"の午後のものは,LHの放出が生じているものとそうでないものとにはっきり区分された。排卵の生じているもの("排卵群")のLH量は子宮発達の不十分な時期の水準にまで低下していた。
2.FSHは"腫脹区"の午前まで殆ど変化がなく"腫脹区"の午後にはLHと同様に放出のみられるものとそうでないものとにはっきりと区分された。"排卵群"の午前ではFSHはなお高い値を示した。
3."腫脹区"の午後のGTHの分泌の高まっているもののGTHの放出時刻は従来報告されている成熟ラットおよびPMS処理幼若ラットの排卵前日のGTH放出時刻とほぼ一致した。
4.初回排卵直前の子宮の発育は,個体差が大きく,正常性周期を示す成熟ラットで子宮の発育が同期化されているのと異なった。

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© 日本繁殖生物学会
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