家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
石川県における乳牛の繁殖実態について
井上 邦一
著者情報
ジャーナル フリー

1958 年 3 巻 4 号 p. 148-150

詳細
抄録
以上調査成績の概要をあげたのであるが,その焦点とするところは繁殖上の諸要因と,平均種付回数を以て判,定した種付成績の良否との関係を観察したもので,その主なる点を要約すれば次のとおりである。
1.飼養乳牛頭数に対する空胎調査(妊否実態)の結果は概略昭和28年3月調査の全国標準に近い成績を示している。
2.妊娠したものの平均種付回数については2.33回で第1回の種付で受胎する割合の悪いことと共に全国標準より悪い。
3.環境上の諸要因との関係を平均種付回数で観察すると次のとおりである。
(イ)栄養と管理の良否は受胎成績に比例する。
(ロ)年齢及び泌乳量の多少は受胎成績に逆比例する。
(ハ)その他の繁殖上の諸要因との関係には特記すべきものがない。
附記本調査は家畜保健衛生所職員が諸業務に併行して実施したものであり,調査頭数が総飼養乳牛の10%に過ぎず充分なものとはいえないが石川県における乳牛一の繁殖成績の一端を知つて戴けば幸いである。
著者関連情報
© 日本繁殖生物学会
前の記事 次の記事
feedback
Top