家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
牛の黄体形成に伴う中心腔内液の存続期とその卵巣周期に及ぼす影響について
本間 惣太須川 章夫
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1960 年 5 巻 4 号 p. 127-132

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抄録

直腸検査法により黄体内に液体の存在を認めた16例について液体の存続期間及び卵巣周期に及ぼす影響について検討した結果次の様なことを認めた。
1.卵胞破裂後,自然放置して7~17日間黄体内液の存続が認められたもの6例。その中の1例の卵巣周期は30日にのびたが,他の5例では何れも正常範囲で回帰した。
2.卵胞破裂後,人為的破砕を行つて2~14日間黄体内液の存続が認められたもの8例。其の中1例は途中剖検のため卵巣周期は不明であるが,他の7例では正常範囲で回帰した。
3.直腸検査で液体の内在が認知される黄体の形成経路に二つの異型がある。
4.黄体の大きさは16~25mmであつた。
5.16例中12例では周期中に排卵には至らないが,、3~15mm大の卵胞が出現した。
6.発情状態の観察は不充分であつたが,子宮の収縮,腟粘液の増量が多くの例にみられ,少数例ではdesireも確認された。
7.卵胞破裂後7日目,12日目に剖検した2例の中心腔は正常のものより大きく且つ何れも淡黄色透明液を含んでいた。

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