家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
家畜精液の生化学的研究山羊の精漿の化学組成についてI
広江 一正富塚 常夫和出 靖正木 淳二
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1960 年 6 巻 1 号 p. 28-29

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抄録

山羊の精液中のフラクトースおよびアスコルビン酸の測定をおこない次の結果を得た。
1.ザーネン種6頭中5頭の精液中のフラクトースは季節的消長を示し,牝山羊の繁殖期に相当する時期(10月~1月)に増加し,非繁殖期に相当する時期(5月~7月)に減少する傾向のあることが知られた。
2.精液中のフラクトースの季節的な増減は,牡山羊の生殖器附属器官の機能が時期的に消長周期を示すものと推察される。
3.日本在来種2頭とザーネン種1頭の精液中のフラクトースは季節的消長を示さず,年間を通してほぼ一定の量をたもつていた。
4.精液中のアスコルビン酸は例外はあつたが,7月から1月の間に減少し,2月から6月にかけて増加するもののようである。しかしこのような変化のみられない例もあつた。

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