家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
誘起泌乳による乳牛の泌乳能力の推定
III.誘起泌乳成績の検討
内藤 元男加納 康彦加々 見恒夫加藤 英輔根本 恒弥屋 照夫平賀 即稔香月 利信柏木 甲中西 久二
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1962 年 8 巻 2 号 p. 47-51

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抄録

合計100万IU.のオイベスチン処理による誘起泌乳の成績について検討を加えた。福島種畜牧場,北海道農試畜産部,東大農学部牧場の3ヵ所24頭のホルスタイン及び同種系牛について泌乳,繁殖,発育状況を調べた。総平均で総乳量952.5kg,最高日量5.60kg,平均乳脂率3.35%であつた。福島と北海道との間に各形質とも差があり,福島で高かつた。遺伝的な要因と共に夫々の場所内で共通な環境要因の影響のあることが窺われた。
泌乳諸形質間の相関を調べ,さらに半きようだいでの級内相関で表型似通いの程度を算出したが0.318~0.588でかなり高い値を得た。
繁殖への影響は,強く出た場合も少数あつたが,大部分は憂うべきものとはいえない。発育への影響は軽微であつた。

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