家畜繁殖研究會誌
Print ISSN : 0453-0551
低温保存したラット卵子の呼吸能について
菅原 七郎竹内 三郎
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1962 年 8 巻 3 号 p. 65-68

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抄録

卵子の体外保存の条件を吟味する基礎実験の一つとして,ラット卵子を用いて(i)保存液,(ii)保存温度,(iii)卵子の発生時期等について,呼吸能を指標として検索した。
保存液としてK.R.P.+0.1%glucose液,CaC2-free.K.R.P.+0.1%g1ucose液,同種血清及び血清稀釈液を用い,0°C,5°C,10°C及び°Cにそれぞれ1~5日間保存し,各一定時間保存後呼吸能を測定して採卵直後の呼吸能に対する割合を調べた.その結果ラット卵子の保存温度としては5°C,10°Cが良好で,保存液としては血清,血清稀釈液がよく,発生時期としては2細胞期,4細胞期がよく,発生が進むに伴い呼吸能の低下が大きくなることが認められた。かくして卵子の保存による呼吸能の変化が卵子の活性の判定基準となり得る様に思われた。

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