雄マウス尿中の春機発動促進フェロモンの単離

抄録

雄マウス尿中の春機発動促進物質の大気内拡散性,二塩化メチレン溶解性,荷電を調べた。促進活性のあった雄尿陽イオンー二塩化メチレン溶性画分のガスクロマトグラムを去勢雄,成熟雌,包皮腺除去雄の同画分と比較した。雄マウス尿の臭いにさらされた幼若雌マウスの初回腟発情は無処理対照区のマウスに比べ5日早く起った。雄尿二塩化メチレン溶性画分と不溶性画分の両方に春機発動促進効果が認められた。雄尿陽イオン画分には春機発動促進効果が認められたが,中性画分及び陰イオン画分には同効果が認められなかった。陽イオソー二塩化メチレソ溶性画分のガスクロマトグラフィーで雄と包皮腺除去雄にのみ特異的な2っのピークが認められ,アミン標品と保持時間の比較により,イソブチルアミンとイソアミルアミンであることが示唆された。