家畜繁殖学雑誌
Print ISSN : 0385-9932
牛の精巣,精巣上体ならびに精管の収縮性に及ぼすPGFの影響について
橋爪 力丹羽 太左衛門
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1984 年 30 巻 4 号 p. 216-219

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抄録
雄牛4頭から摘出した精巣,精巣上体および精管の各標本をマグヌス恒温槽(33°C)に装着して,Tyrode液中にPGFを添加(10-7,10-6および2×10-5g/ml)したときの収縮性をキモグラフィオンを用いて観察した。その結果,精巣の実質と縦隔にはPGFに対する収縮性は認められなかったが,精巣上体頭部と体部は10-6g/ml以上で,尾部は10-7g/ml以上で,また精管は2×10-59/m1の添加でそれぞれ収縮反応を示すことが明らかになった。各部位で最も多く見られた収縮の型式は持続性の収縮であった。またリズミカルな収縮弛緩運動は精巣上体尾部と精管の一部でわずかに観察され,一過性の収縮は主として精管で観察された。精巣上体尾部と精管の収縮の程度は精巣上体頭部と体部に比べ大きい傾向を示した。
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© 日本繁殖生物学会
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