抄録
ヒツジのhatchedblastocystを切断二分離し,受卵ヒツジへの移植により生存性を検討した。過排卵誘起したヒツジから,発情発現日を0日として,7日目に手術的に胚を回収した。回収胚のうちhatchedblastocystをカミソリの刃から作製した切断用ナイフで切断二分離した。その結果4個の胚で内細胞塊を含めて,ほぼ二等分でき,4組の切断二分離胚を得た。
これらの切断二分離胚を農水省畜産試験場から埼玉県畜産試験場に輸送し,受卵ヒツジ2頭に切断二分離胚を1組ずつ移植した。その結果,2頭とも受胎し,1頭は一卵性双仔を,他の1頭は単仔を出産した。残りの2組の二分離胚を凍結保存し,そのうち1組を融解後移植したが,不受胎であった。