家畜繁殖学雑誌
Print ISSN : 0385-9932
125I標識ホルモンを用いたプロジェステロン,テストステロンおよびエストラジオールー17βのラジオイムノアッセイについて
田谷 一善渡辺 元笹本 修司
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1985 年 31 巻 4 号 p. 186-197

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抄録

125I標識ステロイドホルモン(Amersham社製)を用いてP,T, E2のRIA法の設定を試みた結果,簡便で感度,精度,特異性の優れた二抗体法による方法を確立するに至った。具体的な操作は以下の通りである。
1) 緩衝液:0.01MPBS(第二抗体用),1%BSA•PBS(標識ホルモン用),1%NRSあるいはNSS•0.05MEDTA•PBS(第一抗体用)。
2) ステロイドホルモンの抽出:抽出はエチルエーテルによる一回抽出法を用い,カラム等による精製操作は省略した。未知試料(ラットの末梢血の場合は,P用として0.5~5μ1,T用として2.5~50μ1, E2用として200~300μ1)を抽出用試験管(13×100mm)に取り,純水を加えて全量を500μ1とする。これにエチルエーテルを2~3m1加えて約20秒間攪拌し,ステロイドホルモンを抽出する。約5分間静置後,ドライアイス•エタノール槽に浸して水層部分を凍結し,エーテル層をデカンテーションにより測定用試験管(12×75mm)に移す。抽出物の入った測定用試験管を加温,減圧,振動して乾固する。標準溶液は,保存溶液から純水を用いて段階稀釈(0.625~640Pg/0.5ml)して抽出用試験管に取り,未知試料と同様の方法で抽出操作を行う。
3) ラジオイムノアッセイ:乾固した測定用試験管に125I標識ステロイド(4,000~5,000cpm/100μ1)と第一抗体(100μ1)を加えて約20秒間攪拌し,4°Cにて約24時間イソキュベート後,第二抗体(200μ1)を加えてさらに4°Cにて24時間インキュベートし,遠心分離(1,7009,30分間)して沈渣の放射活性を計測する。

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