1986 年 32 巻 3 号 p. 124-129
妊娠13日のラットにブスルファンを投与して生殖細胞を退行させた出生直後から生後50日までの個体の精巣について,精細管壁のPl,AlpおよびATPaseの活性を組織化学的に検出し,無処置のものと比較した。
Pl活性は無処置妊娠ラットから生まれた個体の精細管外膜細胞には出現しなかったが,ブスルファン投与妊娠ラットから生まれた個体においては,生後10日から50日までのものに弱く認められた。
Alp活性は無処置妊娠ラットから生まれた個体においても,また,ブスルファン投与妊娠ラットから生まれた個体においても,生後10日から外膜細胞と基底膜に出現したが,ブスルファン投与のものが無処置のものより弱かった。
ATPase活性はいずれの妊娠ラットから生まれた個体においても生後10日から外膜細膜に観察され,無処置妊娠ラットから生まれた個体では生後50日で強くなったが,ブスルファン投与のものでは弱いままであった。