抄録
ヒト先体反応精子の判別法であるトリプルステイン(TS)法とその簡便法がブタ精子に応用できるか否かを検討した。これらの染色法によって,ブタ精子は正常先体を持つ生存精子と死滅精子,正常先体を持たない生存精子と死滅精子の4種類に分けられた。また,ハムスターテストの結果,"正常先体を持たない生存精子"が先体反応精子と推定された。TS法および簡便法はともにブタ先体反応精子の判別に利用可能と考えられる。しかし,簡便法では先体反応精子の割合を過大に評価する危険があるので,ブタ精子ではTS法を採用すべきと思われる。