家畜繁殖学雑誌
Print ISSN : 0385-9932
乳牛の成熟卵胞液,血漿中プロスタグランジンF(PGF)濃度
川上 静夫香本 頴利
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1991 年 37 巻 3 号 p. 155-157

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抄録
発情期の乳牛10頭の成熟卵胞液,血漿並びに,屠殺直後の牛で卵巣の形態が発情時のものに似ている卵巣を選び,そこに存在した成熟卵胞大の卵胞液20例についてProstaglandinF(PGF)濃度をRadioimmunoassay Kit (Baxter Travenol Diagnostics Inc.)により定量して次の結果を得た.1)発情牛10頭の成熟卵胞液中のPGF量は340~11,700pg/ml,血漿中のPGF量は130~580pg/mlの範囲で認められ,各個体別では,いずれも成熟卵胞液中の方が1.55~22.67倍の高値であった.2)屠殺直後の成熟卵胞相当大の卵胞液20例にもPGFが検出され,その量は231~2,000PG/mlの範囲で認められた.
以上より,牛の卵巣あるいは卵胞細胞はPGFの産生母地として機能していることが推定された.
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© 日本繁殖生物学会
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