日本繁殖生物学会 講演要旨集
第113回日本繁殖生物学会大会
セッションID: P-11
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ポスター発表
ジーンターゲッティング法によるGATA4-floxマウスの作製
*岩崎 亜美村田 康輔川村 名子中務 胞阿部 学夏目 里恵杉村 智史﨑村 建司山城 秀昭
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抄録

【目的】GATA4は性腺の分化に関与する転写因子で,生殖巣の発達における重要な役割を担っていると考えられている。一方,胚発生および胎生期の心筋の分化に関与する遺伝子調節も行うため,欠失が起こると,胎生致死となりGATA4ホモ欠損マウスを作出することは極めて困難である。本研究では,卵巣特異的GATA4ホモ欠損マウスの作製のため,ジーンターゲッティング法を用いて,GATA4-floxマウスの作製を行った。このマウスは,Cre-loxpシステムにより,生殖巣特異的にGATA4遺伝子を欠失することが可能となり,胎生致死を回避することができる。【材料・方法】C57/BL6ゲノムライブラリーよりBACクローンを単離,DNAを抽出し,Red/ET組み換え法によるBACサブクローニング法と多重遺伝子導入法を用いてターゲッティングベクターを作製した。エレクトロポレーション法によりES細胞へターゲッティングベクターを導入し,薬剤耐性ES細胞を選抜した。サザンブロット解析により同定した組換えES細胞をICRマウス8細胞期胚に注入し,キメラ胚移植を施した。【結果・考察】その結果,3匹の雄キメラマウスを得た。ES細胞寄与率は,それぞれ約50%,70%,100%であった。自然交配によりキメラマウスとB6雌マウスを交配し,生殖系列キメラマウスを同定し,F1ヘテロマウスの作製に成功した。現在,GATA4-floxヘテロマウス同士を交配させ,ホモマウスを作製している。今後は,生殖巣特異的Vasa-Cre Tg雄マウスとの交配を行い,GATA4欠失マウスの妊孕性の有無および,卵巣形成について組織学的解析を行う予定である。

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