日本繁殖生物学会 講演要旨集
第113回日本繁殖生物学会大会
セッションID: P-12
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ポスター発表
卵巣内卵胞の体外発育能のマウス系統間の比較
*細見 尚也, 諸白 家奈子
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抄録

【目的】卵子の遺伝資源保存や有効利用を目的として,新生児卵巣および始原生殖細胞を含む卵巣を体外培養し発育した卵胞を継続培養する2段階培養法により,諸白らはマウスBDF1系統において産子の作出に成功しているものの,他系統での報告例はほとんどない。そこで本研究では,マウス系統間の体外卵胞発育能について基礎的データを収集する目的で,3系統の新生児卵巣を同一条件下で体外培養し,卵胞発育能を免疫組織化学的に解析した。【方法】生後0日齢BDF1(交雑系統),C57BL/6(近交系統)およびICR(非近交系統)卵巣を採取し,諸白らの方法(10%FBS添加αMEM培養液で液相-気相培養法により,37℃,5%CO2/95%空気の条件下)で連続培養した。培養0日齢および培養10日で卵巣を固定後,卵胞基底膜と生殖細胞をそれぞれLaminin抗体とTRA98抗体を用いて蛍光免疫染色し,透明化処理後,共焦点顕微鏡で観察し蛍光画像を取得した。蛍光画像として,卵巣内の予め定めた5区画でZ軸方向に5 μm毎に取得した。取得画像を基に卵母細胞数および発育卵胞数を計数し,卵巣内卵母細胞数あたりの発育卵胞数を卵胞発育率として算出し,系統間で比較した。【結果および考察】培養0日における卵胞発育率は,ICR系統で2.11%で,BDF1系統(0.43%)およびC57BL/6系統(0.04%)に比べ,有意に高かった。一方で,培養10日では,BDF1系統において卵胞発育率が26.7%で,ICR系統(14.7%)およびC57BL/6系統(14.7%)に比べ,有意に高かった。培養0日に対する培養10日の卵胞発育の増加率はC57BL/6系統が366.5%であり,BDF1系統(61.1%)およびICR系統(6.0%)より高かった。以上より,卵巣内卵胞の体外発育能はマウス系統間で異なり,その一因として,培養開始時の卵胞の発育ステージに差異があることが示唆された。

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