日本繁殖生物学会 講演要旨集
第113回日本繁殖生物学会大会
セッションID: P-111
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ポスター発表
自然哺乳下の黒毛和種における分娩後の子宮修復と子宮動脈血流動態との関係
*伊賀 浩輔志水 学金澤 朋美
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抄録

【目的】黒毛和種において,分娩後の子宮修復に伴う内因性プロスタグランジン(PG)の緩慢な低下は悪露の排出を遅らせ,その後の初回排卵及び子宮機能の回復にも影響を及ぼす(第108回大会)。一方,子宮修復に伴う内因性PG産生割合及び子宮動脈血流量は同様な推移パターンを示すことから(WCRB 2017),分娩後の子宮動脈血流動態を調べることで,その後の子宮修復の状況を予測できる可能性が示唆される。そこで本研究では,分娩後の子宮修復,卵巣の状況及び分娩後早期の子宮動脈血流動態との関係を調べた。【方法】正常分娩した自然哺乳下の黒毛和種雌牛8頭を供試し,分娩後20~60日まで直腸検査及び超音波画像診断装置を用い,子宮修復及び卵巣の状況を調べた。また,分娩後0~15日まで妊娠角側子宮動脈血流割合の推移を超音波画像診断装置のColor Flow及びPower Doppler modeで測定した。供試牛は悪露の排出,または初回排卵時期が分娩後40日まで(≦40日悪露,または排卵群)及び40日を超える群(>40日悪露,または排卵群)に分類し,子宮修復や卵巣の状況及び子宮動脈血流動態との関係を調べた。【結果】全ての供試牛において,分娩後の形態的な子宮修復の完了,悪露の排出及び初回排卵時期の平均はそれぞれ,32.6,41.4及び39.9日であった。>40日悪露及び排卵群においては,形態的な子宮修復の完了及び初回排卵,または悪露の排出時期は≦40日群と比べ遅れるが有意な差は無かった。一方,分娩後0~15日の妊角側子宮動脈血流割合においては,>40日悪露群は≦40日と比較して有意(P<0.01)に低く推移し,分娩後5及び15日で有意(P<0.06)に低い値を示した。しかしながら,>40 及び≦40日排卵群では同様な推移パターンを示し,有意な差は無かった。以上の結果から,分娩後の子宮修復において,悪露の排出が40日を超える群の妊娠角側子宮動脈血流動態は40日までに排出される群とは異なるパターンを示すことが示唆された。

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