日本繁殖生物学会 講演要旨集
第113回日本繁殖生物学会大会
セッションID: P-51
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ポスター発表
オートファジー活性を指標にしたマウス体外受精胚の発生率向上の試み
*蟹江 沙耶渡辺 連岸上 哲士
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抄録

【目的】哺乳類において着床前胚の発生率および産子率は,体内環境おいては高い一方,体外では低く,受精および着床前胚の発生環境の影響が顕著である。我々は,オートファジー活性に着目し,着床前発生における活性プロファイルを比較した結果,体外受精胚は体内受精胚と異なり桑実期に異常に上昇すること等を報告した(第112回本大会)。本研究では,体外受精胚の異常なオートファジー活性を抑制することで発生率向上の可能性を検討するため,オートファジーを抑制することが知られているリゾホスファチジン酸(LPA)に着目し,発生への影響を調べた。【方法】過排卵処理したICR系統のマウスを用いて体外受精胚をIVFにより作出し,受精時から5 µM LPA処理をおこなった。これらの胚のオートファジー活性は,蛍光試薬DAPGreenにより胚を染色し蛍光観察を行った。産仔を得るため,体外受精の24時間後に各胚を卵管に移植した。【結果・考察】LPA処理した結果,受精率(LPA 99% vs. control 98%,N>100)に差は認められなかった。一方,胚盤胞への発生率は,有意差はないものの改善傾向が見られた(LPA 93% vs. control 91%,N>100)。一方,DAPGeenによる観察の結果,桑実期においてIVF胚の特有のオートファジー活性を示す胚の割合(LPA 67% vs. control 48%,N>100)が増加していた。また,これらの胚の移植した結果,産子率(LPA 33% vs. control 27%,N>48)において同様に増加傾向が見られた。以上の結果から,体外受精後の5 µM LPA添加は予想に反してオートファジーの活性化を誘導した一方,体外受精胚の発生率向上につながる可能性が示唆された。このようにオートファジーの活性を指標とした発生能の評価にはさらなる検討が必要と考えられる。

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