日本繁殖生物学会 講演要旨集
第98回日本繁殖生物学会大会
セッションID: 167
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臨床・応用技術
雌牛に非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)を黄体期の後半から連続投与した場合の黄体退行と排卵
*五十嵐 一大黒岩 武信魯 文こう田中 知己加茂前 秀夫
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抄録
[目的]家畜の繁殖機能調節において、プロスタグランジンF(PGF)は黄体退行を司り、また、PG類は排卵に重要な役割を担っていることが知られている。そこで本研究では雌牛に動物薬品として認可されている非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)を投与し、PGの産生を抑制した場合の卵巣の変化について検討した。[材料および方法]本学獣医学科で飼育している、ホルスタイン種牛2頭(未経産牛1頭;BW762kg、経産牛1頭;BW677kg)を供試し、予め直腸検査を行って発情周期を正常に営み、生殖器に異常のないことを確認して用いた。それらについて、day15(day0=排卵日)からNSAIDsの1つであるフルニキシン1,250mg/25mlを1日12時間間隔で朝夕2回、8~9日間連続で静脈内注射した。処置を行った発情周期および処置後の第2回排卵までの期間について連日~隔日に直腸検査ならびに超音波画像検査を行って卵巣および子宮の変化を調べ、同時に外部発情徴候の発現状況を調べた。[結果]全2例において、フルニキシン処置第3~4日のday17~18から黄体が退行し始めた。黄体の退行に伴って、day10~12に直径6~7 mmとなった第二次主席卵胞がday21~22には直径17 mm前後、day22~23には直径20 mm以上に発育した。それらの卵胞はその後も排卵することなく無排卵性卵胞として大きさを増し、day26∼27前後には内腔周囲にエコージェニックな黄体組織様層状構造物が認められるようになり、day32~35に最大直径38~55.5 mmとなった後、退縮した。この間day18~21には外陰部の充血、腫脹、粘液の漏出、子宮の腫大などの発情徴候が認められた。それらの無排卵性卵胞の退縮と共に発育・成熟した卵胞がday42~43に自然排卵し、その第1回自然排卵後23日に第2回排卵が起こり、卵巣周期は回復した。[まとめ]フルニキシンを黄体期の後半から連続投与した場合、黄体は退行するが、排卵が抑制されることが示された。
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© 2005 日本繁殖生物学会
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