2007 年 36 巻 4 号 p. 282-288
ベータ-シクロデキストリン (βCyD) をジイソシアナート化合物と架橋重合反応させて高分子化した後, 粒径φ75μm以下に粉砕して吸着剤を調製した. ジイソシアナート化合物としては, トルエン-2,6-ジイソシアナート (TDI) より, ヘキサメチレンジイソシアナート (HDI) を用いた吸着剤の方が良好な分離率を示した. 吸着剤の成分組成は, βCyDとHDIの仕込みモル比が1 : 8から成る吸着剤 (βCyD/HDI (1/8)) のフェノール分離率が最も優れていた. βCyD/HDI (1/8) 吸着剤のフェノール包接速度は迅速であり, また, フェノール包接後の吸着剤をメタノールで再生した際, その包接能力は低下しなかった. さらに, 同一フェノール廃水に対して, 包接を5回積算すると, 初期濃度89g/l のフェノール濃度を117mg/l にまで減ずることができた. 同吸着剤を流動床に供したところ, 連続的に包接試験を行うことができた.