児島湖および児島湖へ流入する笹ヶ瀬川と倉敷川とを取り上げ,公共用水域水質測定結果を用いて,水質の経年変化と変動特性を検討した.児島湖の湖心や樋門地点における全リンを除く水質項目と,倉敷川の本流や笹ヶ瀬川下流の水質では,水質改善は統計的に有意であることが明らかとなった.また,水質の経年変化と今までに行われた浄化対策との関係を比較・検討し,湖内の水質改善には,下水の高度処理の効果が大きく,1995年度から本格的に実施されてきた浚渫事業の効果は補助的であると推定された.さらに,多くの観測地点と水質項目において,一年程度の周期変動が卓越することが認められた.