環境技術
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38 巻, 8 号
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研究論文
  • 森 也寸志, 松田 真伊
    2009 年 38 巻 8 号 p. 566-572
    発行日: 2009/08/20
    公開日: 2011/07/07
    ジャーナル フリー
     バイオレメディエーションは汚染土壌浄化方法の一つで,栄養塩や酸素を土壌中に送り込むことで土壌中の微生物活性を促し,汚染物質の分解を促進させる.しかしながら,土壌間隙構造は不規則で粗大間隙などがあり,浄化剤や栄養塩が粗大間隙を伝って流れてしまい,土壌全体に行き渡らずに浄化効率が上がらないことが懸念される.本実験では,油汚染土壌に栄養塩を浸透させ,排出された栄養塩濃度と実験後に残留した油の量から浄化効率を考察した.土壌間隙構造の影響を反映させるために2つの異なる浸透速度で栄養塩注入を行ったところ,飽和より土壌が不飽和の状態を保つような遅い浸透速度で浄化する方が残留した油が少なく,栄養塩を速く大量に送り込む現場事例とは全く異なる結果となった.移流より分散が卓越する条件になったためと考えられ,浄化効率と地下水を汚染しないことから遅い浸透で少量の栄養塩を注入する方が有利な浄化になると判断した.
  • 陳 文, 河原 長美
    2009 年 38 巻 8 号 p. 573-581
    発行日: 2009/08/20
    公開日: 2011/07/07
    ジャーナル フリー
     児島湖および児島湖へ流入する笹ヶ瀬川と倉敷川とを取り上げ,公共用水域水質測定結果を用いて,水質の経年変化と変動特性を検討した.児島湖の湖心や樋門地点における全リンを除く水質項目と,倉敷川の本流や笹ヶ瀬川下流の水質では,水質改善は統計的に有意であることが明らかとなった.また,水質の経年変化と今までに行われた浄化対策との関係を比較・検討し,湖内の水質改善には,下水の高度処理の効果が大きく,1995年度から本格的に実施されてきた浚渫事業の効果は補助的であると推定された.さらに,多くの観測地点と水質項目において,一年程度の周期変動が卓越することが認められた.
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